箱庭あそびは楽しい
箱庭の感想をうかがうと「楽しい」とおっしゃっていただくことが多いです。
(とらわれが強い方は「難しい」とおっしゃることが多いですが)
私としては、「楽しい」という感想を聞くと、素直に嬉しいです。
ただ、この「楽しい」ですが、一歩間違うと「楽」になってしまうことがあります。
「楽」と「楽しい」は同じ漢字が使われていますが、実は全く違うものです。
「楽」と「楽しい」の違い
「楽」と「楽しい」の大きな違いは、その根っこの部分です。
「楽」は、その根っこに「死の恐怖」があります。
人間なら誰しも「できるだけ楽になりたい」と思ったことがあるでしょう。
これも大切な思いです。
なぜなら、人間は“生物(命があるもの)”として「死の恐怖」をもっており、本能的に不安、恐怖から逃れようとするからです。
(“高いところが怖い”などは“死なないため”です)
「死の恐怖」が強すぎると、自分を不快にさせるものをできるだけ遠ざけるようになります。
これが「楽」です。
「楽しい」は、その根っこに「生の欲望」があります。
これは、“人間(生を受けたもの)”として「全うしたい」「生ききりたい」という思いです。
そして、不安や恐怖を抱えながらも動き出します。
(「楽しい」ことって、案外面倒なことが多いですよね)
これが「楽しい」です。
私たちは、人間として生きている中で、この「楽」と「楽しい」の間、つまり「死の恐怖」と「生の欲望」との間を絶えず行ったり来たりしています。
どちらが良いか悪いかではありません。
どちらも人間にとっては必要なものです。
ただ、現代を生きる中では、「死の恐怖」も「生の欲望」も薄れている方が多いのではないかと思っています。
「楽」と「楽しい」の違いが感覚的に掴みづらくなっているのかもしれません。
長くなったので、次回に続きます。
初回90分8000円
※申込票記入、インテーク面接、説明、箱庭あそびを合わせた時間です。