以前、<瞑想箱庭療法の効果①>でも簡単に触れた内容です。
今回はもう少し具体的にお伝えします。
不安はあるもの
当オフィスで行っている瞑想と箱庭療法を組み合わせた方法のベースには「森田療法」という日本独自の精神療法があります。
それによると、人間の悩みや苦悩、たとえば恐怖や不安などは人間が本来持っているもの、すなわち“自然なもの”と考えます。
つまり、心身の自然さが発揮されているのであれば、「不安」は“あるもの”だということです。
そして、“あるもの”はどんなに頑張っても無くすことはできません。
もう少しわかりやすくお話しします。
「不安」が無くなると「安心」も無くなる!?
下の図をご覧ください。
「不安」と「安心」は山と谷みたいなものです。
(どっちが上とか下とかではないですが)
それでは、ここで「不安」を無くしてみましょう。
谷を埋めて「不安」を無くしてみました。
すると「安心」と同じ高さになりました。つまり、「安心」も無くなりました。
このように「不安」を無くすためには「安心」も無くす必要があります。
言い方を変えると「不安」を感じたくないのであれば「安心」を求めなければいいのです。
でも、「安心したい」ですよね。
「安心」が「不安」を生む
では、次は「安心」を求めてみます。
人型の高さは先ほどの図と変わっていません。
ですが、「安心」(山)を求めたことにより、人型の場所が「不安」(谷)になります。
このように「不安」と「安心」は表裏一体、山と谷のようなもので山が高ければ高いほど谷が深くなります。
「不安」があることは自然な状態
ちなみに、心身の自然さが発揮されていないと、一定期間どちらか一方の感情が消失し、片方の感情のみになってしまう場合があります。
その状態で精神科を受診すると「病気」として診断されます。
したがって、一定期間「不安」が無くなってしまった場合も「病気」として診断される可能性があります。
今回は「不安のメカニズム」として、「不安はあるもので、無くせない」ということをお伝えしました。
人間は心身の自然さが発揮されていれば、自然と「不安」になります。
そして、それは本来、その方が抱えることのできる「不安」です。
「そうはいっても不安が強くて辛い」
「不安がいっぱいで何も手につかない」
そういう方は、自然な状態であれば抱えることができるくらいの「不安」を、ご自身で大きくしてしまっているのかもしれません。
次回はそのことについてお話ししようと思います。
初回90分8000円
※申込票記入、インテーク面接、説明、箱庭あそびを合わせた時間です。